お役立ちコラム COLUMN
新築に関するお役立ち情報
家づくりで重要なのは「床材選び」
家を建てるときは、素足で過ごすことの多い日本人にとって快適に生活を送るうえで「床材選び」が非常に重要になってきます。選定にあたっては、その部屋を何に利用するかによって、最適な床材を選ぶ必要があります。
まず水まわりの部屋や空間と、そうではない部屋や空間では、適する床材が大きく異なります。
水まわりのある部屋の床材
洗面所やトイレなど、水まわりのある空間で使う主な床材には、次のものがあります。また最近では、リビングや廊下などとテイストをそろえ、つながりや一体感を生み出すため、フローリングにするケースも増えています。
表1 水まわりのある部屋で使う主な床材
床材名 | 成分/原料・加工 | 長 所 | |
---|---|---|---|
人工素材 の床材 |
クッションフロア | 塩化ビニル樹脂のシート | 耐水性に優れ汚れにくい |
プラスチックタイル (Pタイル) |
塩化ビニル樹脂をタイル状に加工 | 堅く丈夫で耐久性や耐水性に優れる | |
タイル | 粘土を焼いたもの | 簡単に掃除ができる | |
天然素材 の床材 |
コルク | コルクガシの樹皮 | 断熱性がある |
ココヤシの繊維 | ココナッツの果皮からとった繊維 | 丈夫で吸放出性が高く腐りにくい |
※コルクは、表面仕上げによって滑りやすさが違ってきます
水まわりのない部屋の床材
これに対し、水まわりのない普通の部屋や空間の場合は、誰がどんな目的で利用するかをよく考え、その目的に合わせた床材を選びます。
表2 普通の部屋で使う主な床材
床材名 | 特 徴 | 利用場所 |
---|---|---|
フローリング | 木の質感と温もりがある | リビング・洋室・廊下など |
コルク | 弾力性があり防音性に優れる | 子ども部屋など |
畳(本畳床) | 断熱、防音に優れる | 客間・寝室など |
カーペット | 素材、サイズ、カラーバリエーションが豊富 経済性・保温性に優れる |
居間・洋間など |
新築やリフォームでも人気のフローリング
フローリングは、新築でもリフォームでもとても人気があります。そこで、床材の中でもフローリングについて少し詳しくお話しします。
フローリングには、「無垢(単層)フローリング」と「複合フローリング」の2つのタイプがあります。
無垢フローリングは、別名の「単層」の名のとおり、断面を見て単一の木材からできているように見えます。無垢材の1枚板だけでなく、集成材を使っていても、断面が単一の木材からできているように見えれば、やはり無垢フローリングと呼びます。
これに対し、複合フローリングは、合板の基材に、回転する鋸の刃で切り出した数㎜の厚さの挽板(ひきいた)や、薄くスライスした突板(つきいた)などの表面化粧板を貼ってつくります。
そのほか、合板の基材に特殊強化フィルムや特殊印刷紙のシートを貼ったものがありますが、これはフローリングではなく、木質系フロア(シートフローリング)と呼んでいます。
種類によるメリットやデメリットを紹介します。
表3 フローリングの種類による特徴
種 類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
無 垢 (単層) |
質感、肌触り、香りが良い 調湿作用があり、快適な空間を実現 削って補修でき、きれいな床を保てる 経年変化で味わいが深くなる 柔らかく、足への負担が少ない 個性的な表情が出る |
収縮や反りにより間に隙間ができる 水や傷に弱くこまめな手入れが必要 節や杢が入ったり色柄のばらつきがある 施工の技量でバランスに差が出る 価格が高い |
挽 板 (複合) |
無垢と同様のメリット 木目と色のバランスがきれい 伸縮がほとんどない 広い幅が選べる |
継ぎ目のデザインが気になる 傷に弱い 触感に違いの出る塗装を選べない 価格が高め |
突 板 (複合) |
本物の木の風合いや木目を感じられる 傷や摩耗に強い加工をしたものが選べる 多くのデザインや色が選べる 伸縮がほとんどないので床暖房向き 広い幅が選べ、部屋に広がりが出る 無垢材より価格が安い |
無垢や挽板に比べ木質感に欠ける 継ぎ目が気になる あまり温もりが感じられない |
シートフローリング (木質系フロア) |
天然ものでは出せない木の表情が出せる 経年による色の変化が起こらない 手入れが不要 伸縮がほとんどないので床暖房向き 比較的傷に強い 材によるバラつきがない 広い幅が選べ、部屋に広がりが出る 無垢材より価格が安い |
温もりが感じられない 傷の補修が難しい |
無垢フローリングは、使われる木の種類によって、大きく特徴が異なります。
木材の種類は「広葉樹」と「針葉樹」の2つがあります。 広葉樹は、針葉樹に比べて硬いので、傷がつきにくく収縮や膨張に関しても安定しています。複合フローリングの天板には、一般的に広葉樹が使用されます。針葉樹は、主に無垢材に使用され、広葉樹に比べて柔らかく、傷はつきやすいのですが、修復が可能で肌触りが良いのが魅力です。
代表的な広葉樹の木材
ウォールナット | クルミ科の広葉樹で、深みのある色味が最大の魅力です。 欧米では、家具や内装材として長く愛されています。 |
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メープル(カエデ) | 広葉樹の中でも硬くて丈夫な素材です。 白っぽく爽やかな色で、シンプルな部屋にマッチします。 |
オーク(ナラ) | 模様は虎斑と呼ばれ、木目がはっきりとしていて、床材として人気です。 |
チーク | 東南アジアが原産で重厚感のある色合いです。 硬く、耐久性や耐水性に優れています。 |
ブラックチェリー | きめ細かく、なめらかな手触りが特徴です。 明るい琥珀色が、時間が経つにつれ色に深みがでてきます。 |
代表的な針葉樹の木材
パイン(松の木) | 柔らかく加工しやすく、やさしい肌触りが特徴です。 白い材質の中に、等間隔で赤みがかった節が並ぶのが特徴的です。 |
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ヒノキ | ヒノキは油分を含み、耐水性に優れているため、浴室にもよく使用されています。 |
一口にフローリングといっても、種類や工法、素材によって、表情はさまざま。
住みたい家、より快適に暮らせる家づくりの「床選び」は、お気軽に住協建設にご相談ください。